M様邸 蔵の外装リフレッシュ工事②(京都市南区)
リノベーション
外装は大きく変更することなくリフレッシュ改修。一階の窓は縦に少し大きくしました。半地下の蔀戸も新規造作、固定アームとロック機能を付加して半地下納屋部の通風と戸締り確保です。
リノベーション中
リノベーション前
焼き板の剥離、反り、割れがあります。上部漆喰仕上げの剥離欠損、その他漆喰部の浮き、ひび割れ等もあります。
リノベーション中
作業用の外部足場養生の設置。
リノベーション中
木製窓をアルミサッシのペアガラス仕様に取替え、庇・水切りの鉄部の塗装、外壁重ね張り用の胴縁の施工です。この時に下地の悪いところも補強処理しておきます。
リノベーション中
焼き板の重ね張り仕上げをしていきます。縦貼り施工の為、垂直ラインに注意しながらの施工となります。
リノベーション中
経年劣化による浮きあがり剥離の為、上部の既存漆喰塗りを捲っていきます。
リノベーション中
荒壁まで崩れているところは荒壁土の付け合わせをしていきます。荒壁崩れの大きいところはその塗り厚により、数回に分けて土の付け合わせを行うこととなり、下地を同じ面になるまで付け合わせるにはその破損の状況によっては数日に分けての作業となります。
リノベーション中
漆喰面のひび割れ防止処理として、中塗り・カーボンメッシュシート全面貼りの下地処理をしました。昔はなかった工程です。
リノベーション中
漆喰の仕上げです。水切り上部の意匠として、黒色の外部聚楽も仕上げていきます。これらの作業は色移りがないように、作業日を別にして、漆喰仕上げをして、乾いてから黒聚楽の仕上げとなります。
リノベーション後
妻壁の漆喰がスッキリと白く、水切りや帯の聚楽が黒で、この際軒の角樋も掛け替えて、メリハリのある蔵に戻りました。コーナー材は新茶で焼き板に合わせて同系色で。
リノベーション後
焼き板のラインがきれいに戻りました。エッジを効かせて、白が映える。漆喰新調で防水効果もばっちり。各所の庇も塗装でお色直しです。
ビフォアー/アフター
元々、米蔵だった建物。こういう構造の建物は日本の気候風土に合った、うまく考えられたものなので、いつまでも残していきたい建物です。
木製面格子の劣化、木製硝子戸のガタツキ・捻れ等建て合わせの不具合があり改修。採光・通風を考慮し面積を拡張、複層ガラスの断熱型アルミサッシに取替え。
元々は蔵としての幅広の防火引戸(漆喰塗りこみの土戸)。重量のある土戸で建て合わせも悪くなり、開閉が大儀だったのですが、アルミサッシ千本格子の片引込み戸に取替え。網戸も設置で風通しも良く、開閉楽々。
元々は納屋としての幅広の重厚な木製引戸。建て合わせが悪くなり、重さで敷居にも不具合が出てきて、かなり重く開閉困難な状態だったので、こちらも一階と同じ建具にお取替え。開閉が断然楽になり、防犯性能もアップしました。